神戸北ロータリークラブ 卓話 2013.04.26 薬味   茅園建新

 

薬味

 

皆様こんばんは 今日は普段私たちが毎日食べている薬味についてお話しします。

 

薬食同源とか医食同源と言う言葉がありますが、これは病を治すことも食事を摂ることも、健康を保つと言う目的のためで、源(もと)は同じという考え方です。

日頃からバランスの取れた美味しい食事をとることで病気を予防し、健康であろうと言うものです。古代中国では「薬」としての「食」の重要性を重んじ、「医」や「薬」が食と「同源」という薬食同源思想がありました。

普段、何気なく食べている食べ物にはそれぞれ体にいい成分が多く含まれています。もちろん、その逆で悪いものもたくさんあります。いろいろな健康食品やサプリメントなどが数多く出回っていますが、そのような補助食品に頼らないで、毎日の食事に気をつけることで健康な生活を送りたいものです。

「食は医なり、食間違えば病発病す。食正しければ病治す。即ちこれ医食同源なり」と言う言葉があり「食(じき)は医なり」と言う格言があります

医聖と言われたヒポクラテスは「食で治せない病気は、医もこれを治せない」と言っています。

古代中国では医師を4つのランクに分けており、もっとも位の高い医師は食べ物で治す「食医」で王様の食事の管理を任されていたそうです。食医の次が「疾医」で薬で治療する現在の内科系医師。その次は切って治す「傷医」で現在の外科系医師で、最後のランクは「獣医」であったそうです。

 生き物は自己治癒力(自然治癒力)を持っています。私達は自己治癒力を忘れ、安易に薬に頼るようになってしまっています。生活習慣や食習慣の乱れによる体の不調を無視して、その不調を薬で抑えてしまう事で治そうとし、自己治癒力を不健康な生活や食事そして薬等で弱めてしまっています。

 慢性病の原因が食習慣や生活習慣によるとの認識がたかまって、以前は「成人病」と言われていたものが「生活習慣病」と言うようになりました。医療技術や医薬品の進歩にもかかわらず、生活習慣病はどんどん増加しています。

その一番大きな原因が食習慣の変化によるもので、昔は人々が口にする食べ物は、生で新鮮な物であったり、硬い物であったり、消化出来ない繊維質を多く含んでいましたが、加工技術の進歩により食べ物の大半は、柔らかくて、着色料や防腐剤など添加物を加え、食べやすい繊維質不足の物になってしまっています。

日本料理は『引き算』、中国料理は『足し算』と言われ、日本の板前さんの多くは魚の皮・血合い・中骨等を惜しげもなく捨てますが、薬膳ではこれらを大切にしています。これらには必須アミノ酸、ビタミン類、鉄分やカルシウムなどが多く含まれています。近頃は背の青いイワシ・サバ・サンマ・マグロなどの『光りもの』が注目され、その油脂に人の体内では作れないEPA(エイコサペンタエン)やDHA(ドコサヘキサエン酸)と言う栄養素が多く含まれ、血液をさらさらにして、動脈硬化や高脂血症を改善し心臓や脳血管の病気を予防します。

薬膳は目的によって食べ物で病気を治療する「食医」と、病気や老化を予防し健康を増進する「食養」に分けられます。このうち食養は中国の一般家庭で作られている簡単な薬膳です。食養の基本は、食物の持つ・温熱性(身体が温まると内臓も温まり、内臓の機能や循環機能が活発になり血流も良くなる)。・寒涼性(身体を冷やす食材を摂取すると体内で発生する様々な炎症を抑え、解毒作用も高まる)・平性(寒熱どちらにもかたよらない性質)という三つの性質を知り、暑い夏は寒涼性の食物を多めに摂り、寒い季節には温熱性のものを摂り、また、寒がりの人は夏でも寒涼性の食べ物を避けるといったように、季節の寒暖や体質に合わせて食事を作ると言うものです。

中国では、薬膳は親子代々受け継がれていくものですが、日本で薬膳を日常的に実行するのはなかなか難しいかも知れません。日本でいう医食同源とは、病気や老化を予防するために、栄養を考えて食事をすることを指し、日本食では魚介類や大豆製品などを主菜として、野菜やきのこ、海藻をたっぷり摂り、納豆、醤油、味噌といった発酵食品を摂る食事です。また、栄養のバランスを考えて、肉や乳製品などを摂り入れることも大切です。しかし、日本食の欠点である塩分の摂り過ぎには注意しなければなりません

 

 

 

本題の薬味についてお話したいと思います。

 

 中国最古(12世紀)の薬物書で現代でも薬物のバイブル的存在の「神農本草経」によると、食物には五味(甘い、苦い、酸っぱい、辛い、塩からいの5つの味のこと)があり、それぞれに応じた効能があるとされ、それぞれの体質や病態などに応じた摂りかたが大切だと考えられています。この五つの味を『薬味』と呼ぶようになったそうです。

 

日本料理に添えられるネギやショウガ、ワサビなどの『薬味』は、料理の風味を増したり、食欲を増進させて美味しく食することができます。料理に少量加えることにより彩りを添えたり、その味を引き締めたり、香りを添え食欲をそそる効果があります。これらの薬味は、もともと漢方薬として用いられていたものです。

これらの香味の強い食材の役割には
 1. 食欲増進、消化促進、2. 肉や魚などの臭みを抑える、3. 殺菌作用で食中毒の予防、

 4. 色彩りで食欲が増す、5. 風味を増す   などの働きがあります。

 

・ネギ
 白い部分の多い根深ネギと、柔らかい緑色の葉が多い葉ネギとに大別されます。

ネギ独特の刺激臭は、ニンニクや玉ねぎと同じ、アリシンという成分で、これは体力回復に役立ち、血行をよくして体を温め、肩こりや疲労の蓄積を防ぎ、神経を鎮め、体調を整える働きがあります。

このアリシンは、熱に弱く、長く煮込むと効力が落ち、甘み成分に変化します。生で食べた方がアリシンの効果がもっともよく得られます。また、水に溶ける性質があるので水にさらす場合もあまり長くさらさない方が良いようです。

栄養的には、葉ネギのほうが根深ネギより優れていて、糖質を除くすべての成分が根深ネギよりも多く、とくにミネラル、ビタミンが多く含まれて、ビタミンCは約4倍、ビタミンA100倍以上にもあります。
ワケギや万能ネギも葉ネギと同様、ビタミンACが豊富に含まれています。

ネギはビタミンB1の効能を高め、疲労回復に効果があります。

夏の食欲のないときも、ソバや冷麦に刻んだネギを入れると、食欲増進にも役立ちます。
白い部分は抗菌作用もあるビタミンCが多く、葉の緑の部分は、ビタミンC、粘膜を強くするベータカロチンやカルシウムも含まれています。

 漢方ではネギの白い部分を「葱白(そうはく)」と呼び、漢方薬として用いています
体を温め、発汗作用で、風邪の初期や冷えによる腹痛の治療に用い、また、鼻詰まりの改善や痰の除去、喉の炎症を鎮める効果があります。「風邪のひき始めに、ネギの白い部分としょうがのみじん切りに味噌を合わせ、熱湯を注いだものを飲み、温かくして寝る」とか「焼きネギ湿布」や「刻みネギと梅干しを入れた熱いお湯を飲む」というのは、昔から風邪の処方としてよく知られています。発汗作用が促され、熱が下がるとともに、ネギに含まれるイオウの鎮静効果で不眠や不安にも効果があります。

・生姜

多肉で強い香りと辛みがある生姜は、辛み成分としてショーガオールとジンゲロンが含まれています。ショーガオールは強い殺菌力と酸化防止の作用を持ち、ジンゲロンには抗菌作用があり食中毒を予防します。また、新陳代謝を促進し発汗作用を高める働きがあり、

消化酵素の分泌を高めて消化吸収をよくする働きもあるので、食欲のない時や胃腸の調子の悪い時などに用いると、より効果的です。これらの成分には消炎・保温作用もあります。
 また肩凝りや神経痛の湿布薬として用いられるほどで、疲労回復の効果もあります。
お寿司にガリは抗菌性を、そうめんや冷奴に薬味として利用するのは体を温める作用、風邪や喉の炎症に生姜湯を飲むのは、発汗作用や消炎・痰をとる作用を利用しています。

香り成分は、食欲増進、発汗、去痰、消炎、保温作用などがあり、風邪、リウマチ、神経痛や冷え性などにいいです。

ヨーロッパでペストが流行った時にペストの特効薬にもなったそうです。

漢方では、「生姜は百邪を防御する」と古書にあるほど、古くから生薬として利用されています。
また、健胃作用、嘔吐、せき、むかつき等にも効果があり、新陳代謝を高め、体を温めて、冷え性、咳、腰痛、腹痛などに効果があとされています。

・山葵

山葵の根や葉の部分にシニグリンという物質が含まれていて、すりおろして細胞がつぶれるとミロシナーゼという酵素の働きで分解されて辛味成分であるアリル芥子油(がいしゆ)というものになります。

ワサビの辛味が胃を刺激して胃液の分泌を促し、胃の消化を助け食欲を増進させます。

強い防腐・殺菌作用があり、食中毒の原因菌のひとつであるO-157などに対しての優れた抗菌性があると言われ、刺身や、握り寿司に用いられるのは、「魚毒を消す」と言われていて、理にかなっています。

ワサビには体をあたためる働きがあり、冷え症の方にも効果的です。

また脳梗塞や心筋梗塞の原因である血栓を防ぐとも言われています。

・大根
 大根の根にはビタミンCが多く含まれており、皮に近い部分ほど含有量が多いそうです。また、デンプン分解酵素のジアスターゼが豊富に含まれていて胸焼けや胃酸過多、二日酔いに効果があります。皮の部分には毛細血管を強化するビタミンPが含まれています。

ジアスターゼがでんぷんを分解するのでダイコンおろしの汁を飲むと胃がすっきりし、嘔吐、慢性の下痢にも効果があります。またおろし汁は消炎冷却効果があるので歯ぐきの腫れや口内炎にも効果的です。食物繊維も豊富で便秘にも効果があります。

昔から咳や痰、ノドの痛み、声がれなどの民間薬として利用されています。

また、ダイコンの水分に含まれるカリウムに利尿作用があり、体内の余分な塩分を排出します。ダイコンに含まれるオキシダーゼという酵素は、発癌物質の解毒にも効果があると言われています。

ビタミンCやジアスターゼは熱に弱いという欠点がありますが、薬味の場合は、大根おろしとして生で食べるため、効果的に摂取することができます。

 

・柑橘類

みかん、ゆず、すだち、かぼす、レモンなど
 ミカンの皮の干したものを陳皮と言い漢方ではよく使われます。七味唐辛子にも入っています。

漢方では発汗作用や鎮咳作用があるため、風邪、喉の痛み、咳などに用いられます。その他、健胃作用、去痰作用、整腸作用、血圧降下作用などもあると言われています。

ビタミンCを多く含み、酸味はクエン酸やリンゴ酸などの有機酸によります。抗酸化力が高く、疲労回復や肩こりに有効です。香りの精油成分には、神経をリラックスさせる働きがあります。ゆずの皮は天ぷらそばやうどん、茶碗蒸しなどに入れられ、良い香りと油っこさやにおいを抑える効果も大きいです。皮にはカルシウムやカリウムなどのミネラル類も多く含まれています。

・みょうが
俗に「食べると物忘れがひどくなる」と言われ僕は子供の頃は食べさせてもらえま

せんでした。

しかし、学術的な根拠は無いようで、逆に、香り成分に集中力を増す効果があり、大脳

皮質を刺激して頭をシャキッとさせる作用があります。

また、解熱や解毒効果があるので夏バテによく、独特の香りと風味が食欲増進にもつながります。ホルモンのバランスを整え、生理不順、更年期障害、生理痛や女性の冷え性や冷えからくる腰痛や腹痛にも有効といわれてます。また、発汗、呼吸、血液循環などの機能を促す作用があるので、腰痛、肩こり、リウマチ、神経痛などにも効果があり、患部にそのまま貼ったり、入浴剤として用いても良いようです。

・山椒

葉は「木の芽」と呼ばれ芳香があり、実(み)には特有の辛みと苦みがあります。成分のサンショオールやサンショウアミドは大脳を刺激して、内臓器官の働きを活発にする作用があり、胃腸の働きの弱くなった消化不良やみぞおちのつかえ、お腹の冷えやガス、それによる腹痛に効果があります。

・紫蘇

青紫蘇を香味野菜として刺身のつまや天ぷらなどにすることがありますが、これは「大葉(おおば)」と呼ばれています。

昔から薬として用いられ、シソ特有の香りが、胃液の分泌を促進します。また胃腸にたまったガスを放出するなど整腸作用もあります。また、シソ特有の香りには、ストレスやイライラを鎮め、不眠を改善する効果もあり、発汗作用で熱を下げ、咳を抑え、痰を切ります。

カロテンやビタミンC、ミネラル類が豊富で、細菌の繁殖を抑え食中毒を防ぐ働きがあります。細かく切ると殺菌作用が大きくなると言われています。

・ゴマ

不飽和脂肪酸のオレイン酸やリノール酸を多く含んで、コレステロールを下げ動脈硬化の予防に優れ、老化を防ぎ、脳の働きを高めます。カルシウム、鉄などのミネラル類や、ビタミンB1やEなどが豊富に含まれている。美肌効果や体脂肪の減少にもよく、主成分のゴマリグナンはアンチエイジングと肝臓にも良いようです。

水溶性の抗酸化物質の代表であるビタミンC、カテキン、アントシアニンなどは血液中の活性酸素を撃退しますが、水溶性であるため脂溶性の細胞膜を通過することができず肝臓までは到達できません。それに対し、ゴマリグナンは血液中では力を発揮しないで、肝臓に到達してはじめて抗酸化作用を発揮するので、肝機能の改善にはゴマリグナンが有効です。

また、ゴマリグナンには「女性ホルモン様作用」があり、女性ホルモンの分泌低下によって引き起こされる更年期障害や、美肌にも効果を発揮します

お酒をよく飲むがいつまでも若くありたい方は是非ゴマ、特に黒ゴマを多く摂ってください。

海苔

海苔には記憶力の減退を改善させる効果があることが発見されました。

漢方では、海苔には利尿効果があり、浮腫、甲状腺腫、などに強い作用があると考えられています。また、高血圧、慢性気管支炎、咽の炎症、咳などの病気の治療にも用いられています。

カロテンとビタミンCが豊富で、活性酸素を除去し、風邪を予防し肌を守り、メラニン色素の沈着を防いで美肌をつくる効果が高く、疲れを取るビタミンB1やB2も多く含まれています。

・とうがらし

唐辛子は激辛なだけではなく、ビタミンも豊富です。

有名なカプサイシンが辛味の正体で、血行を良くして食欲を増進させ、発汗を促す作用があります。発汗によって体温が下がるので、熱い地域では特に好まれています。また、炭水化物の消化を助けます。

脂肪分解酵素を活性化し、脂肪の分解を促進します。新陳代謝を活発にし、胃腸を刺激し、腸の動きや消化液の分泌を促進します。食欲を増進させ、また腸内の異常発酵を抑えます。アドレナリンの分泌を活発にさせ、心臓の収縮力を高め、血液循環をよくして、血管の弾性を高めます。

胡椒

 胡椒はインドが原産でヨーロッパに伝わったといわれています。中世ヨーロッパでも大変な高値で取引がされていて、この時代の胡椒の価値を表すのに「一握りの胡椒は、同じ重さの黄金もしくは、牛一頭と引き換えにされた」とされています。たびたび、胡椒の争奪でスパイス戦争が起こっていたそうです。

日本の薬味とは少し趣が違うかも知れませんが、漢方では胃腸を温めて調子を整える、解熱、筋肉の凝りを除く、肉や魚の毒を消す作用などがあるとされています。また、発汗作用もあり風邪にもよいといわれます。

胃腸を温めて調子を整える、解熱作用、筋肉の凝りを除き、肉や魚の毒を消す作用などがあげられます

からし

 からしのツーンとくる辛みはわさびに含まれるアリル芥子油と同じもので、細菌の増殖をおさえ、食中毒の予防になります。この辛み成分が唾液の分泌を促し、胃を刺激し食欲が増します。漢方では湿布薬として、神経痛、リウマチや筋肉痛に使われます。

麻の実

大麻の種子は、「麻の実(あさのみ、おのみ)」といわれ、七味唐辛子の中で一番大きな粒が麻の実です。
 麻の実は、大量の必須脂肪酸と必須アミノ酸を含んでいます。特に、麻実油(おのみゆ)には、非常に多くの不飽和必須脂肪酸であるリノール酸とα−リノレン酸があります。これらの不飽和脂肪酸は、アトピー、心臓血管疾患、関節炎、更年期障害、ガン、自己免疫疾患などに効果があることがわかっています。
かつおぶし

旨味成分のイノシン酸や良質なたんぱく質を含み、脳に働くDHAや動脈硬化を予防するEPAがたくさん含まれています。また、カルシウムやビタミンDも多く骨を丈夫にし、骨粗鬆症の予防にも有効で、鉄分も多く含まれるので貧血にも効果があります。

 

まとめ 以上のように

薬味には、様々な効能が隠されていて健康的な生活を送るのに大変効果的です。普段の食生活に心がけて薬味を取り入れるようにしてください。

 

七味唐辛子江戸時代初期に漢方薬の配合の手法を取り入れて出来た日本の誇る混合香辛料です。とうがらしの粉末、ごま、さんしょう、麻の実、しその実、陳皮、青のりの7種類のスパイスが調合されていて、今日お話しした体によい薬味も多く含まれています。是非、うどんやソバ、焼き鳥などを食べるとき以外にも工夫して食べてください。

僕は漬け物や親子丼、味噌汁や豚汁、チャーハン等にもかけますがぐっとおいしくなります。

しかし、摂りすぎはかえって良くないこともあるので適量にしてください。

 

何事も腹八分目で…。健康で若々しい人生をお楽しみください。

 

           有り難うございました


 

2013.04.26

薬味   

『薬味』と言う言葉は無意識に使っていますが、もともとは、医学用語として使われていた言葉でした。中国最古(12世紀)の「神農本草経」と言う薬の書物によると、食物には五味があり、それぞれに応じた効能があるとされています。

 この五味とは、甘い、苦い、酸っぱい、辛い、塩からいの5つの味のことで、それぞれの体質や病態などに応じた摂りかたが大切だと考えられおり、この五つの味を『薬味』と呼ぶようになりました。

日本料理に添えられるネギやショウガ、ワサビなどを『薬味』と呼んでいますが『薬味』を加えることで、さらに料理の風味を増したり、食欲を増進させて美味しく食することができます。料理に少量加えることにより彩りを添えたり、その味を引き締めたり、香りを添え食欲をそそる効果のあるもののことですが、料理に使われる薬味には、ネギ、しょうが、ワサビ、柑橘類、みょうが、ごま、唐辛子、しそ、さんしょうなど、もともと漢方薬として用いられるものもたくさんあります。

これらの香味の強い食材の役割には
 1. 食欲増進、消化促進
 2. 肉や魚などの臭みを抑える
 3. 殺菌作用で食中毒の予防
 4. 色彩りで食欲が増す
 5. 風味を増す   などがあります。

薬味は「薬」と「味」が合わさってつくられた言葉ですが、「料理の味を引き立てると同時に、料理に薬効成分をプラスする」という、単に味をよくするというだけでなく体に効能も与えてくれて、和食では古くから欠かすことのできない存在でした。
 薬味には、様々な効能が隠されていて健康的な生活を送るのに大変効果的です。普段の食生活に心がけて薬味を取り入れるようにしてください。

七味唐辛子日本の誇るミックス・スパイスです。江戸時代初期に漢方薬の配合の手法を取り入れて出来た混合香辛料です。とうがらしの粉末、ごま、さんしょう、麻の実、しその実、陳皮、青のりの7種類のスパイスが調合されていて、今日お話しした体によい薬味もほとんど含まれています。是非、うどんやソバ、焼き鳥などを食べるとき以外にも工夫して食べてください。

しかし、過剰摂取はかえって良くないこともあるので適量にしてください。

何事も腹八分目で…。健康で若々しい人生をお楽しみください。

 

 

 

  

 

薬食同源・医食同源

 病を治すことも、食事をとることも、健康を保つという目的で源は同じ

薬食同源思想:「薬」としての「食」の重要性を重んじ、「医」や「薬」が食と「同源」

「食は医なり、食間違えば病発病す。食正しければ病治す。即ち之医食同源なり」

「食(じき)は医なり」

 

古代中国の医師のランク 食医、疾医、傷医、獣医

 

自己治癒力(自然治癒力) 生物は生まれながらに持っている

 

生活習慣病 成人病 食習慣の変化

 

薬膳の目的

 「食医」 食べ物で病を治す

病気になってから病気を治す医者は普通の医者、

名医は病気になる前の未病の段階で食べ物で病気を予防する 

 「食養」 普段の食べ物に気を使って病気の予防や老化の予防をする

              一般家庭での簡単な薬膳

              食物の持つ温熱性、平性、寒涼性を知り、気候や体質にあった食事を摂る

 

神農本草経(中国最古の薬物書で現代でもバイブル的な存在)

 五味 甘い、苦い、酸っぱい、辛い、塩辛い

この五味を薬味と呼ぶようになり、体質や病態に応じて摂り、薬として確立された。

 

薬味

ネギ、ショウガ、ワサビ、大根、柑橘類、サンショ、シソ、ゴマ、

のり、唐辛子、コショウ、カラシ、等

    効能:1. 食欲増進、消化促進
             2. 肉や魚などの臭みを抑える
             3. 殺菌作用で食中毒の予防
             4. 色彩りで食欲が増す
             5. 風味を増す

 

七味唐辛子

       漢方の配合を取り入れた日本の誇る混合香辛料

              唐辛子、ゴマ、山椒、麻の実、紫蘇の実、陳皮、青のりが調合されている