神戸北ロータリークラブ 卓話 2015.05.12 水と健康   茅園建新

 

皆様今晩は 

 

さて、今夜の卓話は水と健康ということでお話ししたいと思います。

人を含めてすべての生物は水なくして生存できません。完全に水を絶つと7日で死ぬといわれています。人の体の6割から6割半、3分の2は水分で出来ておりますが、この水の働きで栄養素や代謝物の運搬や体温の調節を行い生命活動が維持されています。

人が1日に排出する水分は約2.5リットルと言われます。汗や呼吸など気づかない間に失われる不感蒸泄で約1リットル、尿や便として約1.5リットル位排泄されます。したがって1日の排出量とほぼ同じ位の2.5リットルの水分を飲食物から補う必要があります。
 平均的な食べ物から摂るのが大体1リットルと言われていて、残りの1.5リットルは別に飲み物として摂らねばなりません
 この摂取量と排出量のバランスがくずれると、いろんな症状があらわれます。水分が不足すると、脱水症や熱中症の原因になることはよく知られていますが、過剰に取りすぎた場合は水中毒という症状が引き起こされることがあり、内臓に負担がかかり、体がだるくなったり、消化不良を起こしたりします。これは体内のナトリウムやカリウムの濃度が低下するためで、ひどい時は死に至ることもあります。従って、一度に大量の水を摂取せずこまめにとるように注意が必要です。


 一度にたくさん飲むのでなく1回コップ1杯位を1日に10回位に分け1日の必要量である1.5リットルを補給するのが良いようです。こまめに水を飲めば、水分不足に陥ることなく、またとりすぎで体に負担をかけることもなく、疲労回復や健康維持に役立てることができます。

体の水分が2%失われるとのどが渇き、3%失われると強いのどの渇きや意識がぼんやりし食欲減ります。4%失われると皮膚の紅潮、イライラ、体温上昇、尿量の減少が起こり、5%で頭痛、はきけ、めまい、思考力低下等が起こり、8%を越えると立てなくなり、意識障害、痙攣やひきつけを起こし強いては死につながります。

 

朝起きたとき

寝ている間に汗や呼吸で水分を失い、水分不足になっていて、血液中のミネラル等の濃度も濃くなっているので朝一番のコップ一杯の水は重要です。

スポーツをするとき

運動中に水分をとると疲労が増すと言われていた頃もありましたが運動中には大量の汗をかき、水分はもちろんミネラルも体から失われてしまいます。
体重の2%の水分を失うと軽い脱水症状に陥り、動作が鈍くなったり食欲が落ちる等の症状があらわれます。適切に水分補給をしないと、熱中症や熱けいれんを引き起こすかもしれません。
水だけでは失われたミネラルや糖分を補えないのでポーツドリンクを飲んだ方が良いです。

余談ですがゴルフでの話では

マレーシアのCIMBクラシックで石川遼が試合中脱水症状でスコアを落としたとか、上田桃子が女子ゴルフツアーのNEC軽井沢72のプロアマ戦中に脱水と過換気症候群で倒れたとか外国ではブッシュ元米大統領がゴルフ中脱水で入院したとか、南アフリカでのヨーロピアンツアーでアイルランドのパドレイ・ハリントンのキャディをしていた兄がやはり脱水で倒れたとかが有名です。プレー中の脱水で脳梗塞や心筋梗塞を起したと言うこともよく聞きます。


入浴の時
 入浴でも発汗で水分を失います。入浴後にも水分補給をすることが大切です。

 

就寝前

寝る時に枕元に置く水「宝水」と言いますが、就寝前の水分補給も大切で睡眠中の水分不足による血液中のミネラル濃度の上昇を防ぎます。

一日の内で一番水分量が少なくなるのは明け方と言われます。心筋梗塞や脳梗塞が明け方に多いのは、呼吸や汗などで身体の水分が失われて血液が濃くなるからです。寝ている時の水分不足を防ぐために就寝前にコップ1杯の水は有用です。

夜間にトイレに起きるのがイヤで就寝前の水分補給をしない人もいますが脳卒中よりは良いでしょう。また、就寝中に脱水状態になってしまうと、睡眠が妨げられたり、寝起きに体調不良を感じる可能性があります。
特に、年を取ると喉の渇きを感じにくくなるので皆様注意してください。

 

血液サラサラ
 血液サラサラとか血液ドロドロと言う言葉をよく耳にするようになりました。
 以前の私の卓話で動脈硬化の話をしましたが、日本人の死因の上位を占める脳梗塞、脳出血と心筋梗塞、狭心症等は動脈硬化が原因の事がほとんどです。そして、動脈硬化は、血管の老化と血液の流れが悪くなることによって起こります。
 ドロドロ血液は血液の流れを悪くして、長く続くと高血圧、心筋梗塞、脳梗塞、糖尿病など様々な病気を引き起します。老化で動脈硬化を起こした血管は錆の回った鉄管のようなもので、その中を粘っこい血液が流れるとだんだん詰まってしまいます。
適当な水分補給で血液の粘度を上げないようにして下さい。

それから、アルコールを水分と思わないで下さい。アルコールには利尿作用があり、かえって脱水症状を引き起こします。暑い日のゴルフで昼食時に飲むビールは最高ですがかえって脱水になり危険です。珈琲などのカフェイン入りの飲み物も利尿作用があるので要注意です。
 普通の生活では、水が一番良いでしょう。お茶や紅茶、コーヒーなどは、カフェインが含まれていて利尿作用があります。飲み過ぎに注意して下さい。また、ジュースや炭酸飲料は、カロリーが高く水分補給には向きません。スポーツ飲料は、運動時には適していますが、普段は糖分が高くなるので、たくさんは飲まない方が良いでしょう。また、飲むものの温度は冷しすぎると吸収率が悪くなると言われています。摂氏10が飲みやすく水分も吸収されやすいようです。
 夏場のゴルフはスタート前にコップ2杯、プレー中は各ホールごとにコップ1杯、スポーツ飲料だけでは糖質が多いので水で倍くらいに薄めた方が良いかもしれません。

余談ですがエビアンやコントレックス、ヴィッテルなどのフランスのミネラルウオータは有名ですが、フランスのナチュラルミネラルウォーターはかなり厳しい条件をクリアしているそうです。また、フランスでは水治療をテルマリズムと言って、その治療を行うターマルセンターという施設がたくさんあり、このテルマリズムによる病気治療には健康保険が認められているようです。

ヴィッテルは腎臓結石やリウマチに、エビアンは消化器系疾患とリウマチに、コントレックスは腎臓と泌尿器科の疾患に、その医学的効能が認められているそうです。

 

どうか皆さん適量の水分補給で健康に、長生きをして下さい!